世界の農業保護問題 2
とりわけこうした形式的指標にとって致命的なのは、農業の非経済的要因がまったくカウントされていないことです。
・・・とするならば、これらの要因を考慮した、参加各国が納得しうるAMSがはたして作成可能でしょうか。
次に、交渉上の問題としては、AMSを同水準にすることがはたして実質的な公平になるのかどうかという問題があります。
それぞれの参加国の国内農業の構造は歴史的にも、社会経済的にも大きく異なっているがそうした問題を捨象し、これを価格指標だけで形式的に揃えようとするのはかえって実質的な不平等を助長することになるのではないでしょうか。
もともと、このAMSという発想を強く主張したのはECでした。
ECは、一方ではこれにより域内の農業保護を抑制し農産物過剰に歯止めをかけるとともに、他方ではこれを国際交渉の指標とすることによって共通農業政策への批判をかわそうとするねらいをもっていました。
これにアメリカが部分的に同調する形で成立したのが以上のAMS合意ですが、これを交渉の具体的指標とすることは上述のようにさまざまな難点があります。
以上にみたように・・・
農業中間レビューの内容を仔細に検討すれば、そこには合意・妥協よりもむしろ対立・矛盾のほうがはるかに多いのです。